StateSetsのCompositor Linkを使用した3dsmaxとAfterEffectsの連携
3dsmaxとAfterEffectsの間で3次元の情報を連携させることができる機能として、3dsmaxの「Compositor Link(コンポジターリンク)」という機能があり、
max内で作成したカメラや平面、ライトなどをAEのレイヤーで再現して、コンポジット作業に利用できるようになります。
便利な機能ではあるのですが、クセがあるツールのため使う際の注意点をまとめてみました。
なお、今回の検証内容は3dsmax2021、AE2020にて行っております。
出力される時間のフレーム範囲はmaxのアクティブタイムの範囲だが…
Compositor Linkから書き出すsofファイルに記録される尺の長さ(時間)は、3dsmaxのUIの下段に表示されているアクティブタイムの範囲で出力される仕様になっているようですが、
実際にはアクティブタイムより1F短く出力されてしまう
という、罠があります。
そのため、欲しい尺より1F長くアクティブタイムを設定しておく必要があります。
ライトの連携についての注意点
ライトは「ターゲット無し」にしないと、ライトの向きなどが正しく連携されないので、ライトを使用する場合には注意が必要です。
Compositor Linkで更新が行われるレイヤーの条件
Compositor Linkで内容が更新されるAEレイヤーの条件は以下の2点。
・Autodesk Linkタグがついている
・レイヤー名がmax上のオブジェクト名と同じ
そのため、AEにsofファイルを読み込んで連携した後に、上記2点を変更しなければ、カメラやライトの動きを変更した別のsofファイルを読み込んでコンポジットデータを流用することが可能です。
3dsmax上で10秒以降のフレームに誤差が生じる
Compositor Linkの大きな問題として、max上で100秒以降のフレームだと、フレーム数に微妙な誤差が含まれてしまうバグがあります。
(例えば、24FPSなら2400F以降、30FPSなら3000F以降のフレームで起こります)
AEでキーフレームをコピーしてテキストエディタにペーストすると、一部のフレーム数に小数点以下が含まれていることが分かります。
この状態だと、3dsmaxからレンダリングした映像とCompositor Linkで連携したレイヤーに微妙なズレが生まれてしまい、正しく連携されません。
このキーフレームのエラーがあると、以下の例のように時々ずれた動きになってしまいます。(ライトが時々ずれているのが分かるかと思います)
この問題については、AEのスクリプトでキーフレームに設定されたフレーム数のエラーを修正する必要があり、
以下のスクリプト「AdjustKeyTime」で修正が可能です。
Gumroad:AdjustKeyTime
Compositor Linkについてまとめ
このようにCompositor Linkはバグなどによる注意点が多いですが、AEを使用して後から調整できることは、ワークフロー的な効率を考えると重要なので、気をつけつつ活用していきたいところです。
と言いつつも、Autodeskさんにはもっとちゃんとしたツールを作ってもらいたいものです…。
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